薪割り機を使い終わった後のメンテナンス
付着した木くず等の除去
薪割りを行なった後は必ず木くずや土塊などがビームやエンジン周りに付着した状態となります。適宜清掃をし、機械がスムーズに稼働できる状態を維持してください。
特に、油圧シリンダーの伸縮によりビームとスライダーが摺動する部分に木の皮や端材が入り込むと破損につながる場合があります。
摺動部への注油
お掃除が終わり、綺麗になったら鉄と鉄とが擦れ合う摺動部に、グリス・オイルなどの潤滑油を適宜塗布してください。機械のスムーズな動きを維持し、塗装が落ちて素地が現れた際の防錆にもなります。
ガソリンの管理
作業終了後、燃料タンク内に残ったガソリンが1ヶ月以上の長期保管となる場合は必ず抜き取ってください。また、キャブレター(フロートチャンバー)内部に残ったガソリンはドレンプラグから抜き取るか、ガス欠になるまでエンジンをかけて空にしてください。
オイルの管理
エンジンオイルについて
エンジンオイルは定期的に交換いただくものですが、機械を使用する度に状態を確認していただくことでより長く良い状態でご使用することが可能です。
エンジンが冷めてからエンジンオイルフィラーを開けて【オイルの量】【オイルの色】を確認してください。オイル量は多すぎても少なすぎてもエンジンには負担がかかります。適正であることをご確認ください。オイルの色が濃く変色し始めれば交換をお勧めいたします。
もし、『真っ黒だ…』という方はいますぐオイルを購入してオイル交換しましょう!
油圧オイルについて
油圧オイルはポンプやコントロールバルブ、シリンダーといった金属部品の内部で圧力をかけられて循環しているため、熱による劣化やスラッジ等による汚れ等が発生します。
エンジンオイルより色が薄いためパッと見た目でわかりにくい部分もありますが、定期的に交換していただく事でより長くご使用いただくことが可能です。
定期的なメンテナンス
エンジンオイルの交換
エンジンオイルはエンジン内で過酷な状況に晒されるため、定期的な交換が必要になります。初回5時間、以降50時間を目安にエンジンオイルを交換してください。
オイルはオイルフィラー下のオイルドレンから抜くことができます。オイル排出の際は廃油路を作り、車体を傾けることでスムーズに行えます。
廃油後はクリーナー等でオイル汚れをきれいに落とし、新しいオイルを規定量注油してください。
- ガソリンエンジン用10W-30、400cc〜550cc(搭載エンジンにより使用量が異なります。詳細は取扱説明書をご確認ください。
油圧オイルの交換
LS8は、最前部(ウェッジ峰側鍔元から5cm程度下)にある正方形□のプラグから点検します。プラグ周辺のゴミを清掃後にモンキーレンチ等で開け、人差し指を入れて油面がプラグホール下端程度にあるか確認します。
R21LS及びTB27LSは油圧オイルタンク上端部、エンジンマウントベース周辺にあるオイルフィラープラグ周辺を清掃後、同じくモンキーレンチ等で開けてレベルゲージで規定量の範囲に油圧オイルがあるかをご確認ください。
また、各機種の取扱説明書記載の交換目安時間を過ぎた際は、交換もしくはご購入店にお問い合わせください。
消耗品の確認と交換
動力伝達部
動力伝達部は使用していく中で消耗する部分の一つです。
LS8はVベルト(展開図見出し番号12、部品番号754-04128)で動力伝達しているため、損耗や破断がないか確認して下さい。
R21LS(見出し番号47)及びTB27LS(見出し番号47、82、83)はエンジン−油圧ポンプ間のフレキシブルカップリングアッセンブリが動力伝達しています。
緩みや減りがないかをご確認ください。どちらも損傷が見られた場合は交換が必要となります。交換の目安はそれまで割れていた原木が割れなくなった、明らかに油圧能力が落ちたと認識できる場合です。
タイヤ空気圧の確認
R21LS及びTB27LSのタイヤは適宜空気圧をご確認ください。
- タイヤ記載の空気圧は30 psi(2.1 kgf/㎠)となります。
エアフィルターの交換
エアフィルターはエンジンの燃焼用空気の取り入れ口となるため、塵や埃などが堆積しやすい部分となります。
適宜エアークリーナーカバーを開け、エアフィルターの汚れ・目詰まり等をご確認ください。空気中の汚れ、オイル・ガソリンの吹き替えしでフィルターが汚損している場合は購入店にて純正エアフィルターをお取り寄せいただき、交換をお願い致します。
スパークプラグの交換
エンジンの始動性が落ちた際は、取扱説明書に従いスパークプラグの点検をお願いします。
交換する際はエンジンに適合したスパークプラグと交換して下さい。
機械本体の破損・変形の確認
ボルトやナットの緩み、稼働部分の歪み・変形がないか、ご使用の前にご確認ください。緩み部分がある際は、適切な締め込みをしてください。歪み・変形は稼働に支障のない軽微なものか、支障の出る大きなものかをご確認の上、ご購入店にお問い合わせください。
長期保管時の注意点
保管場所と保管状態の注意点
直射日光や水分のかかる所、湿度の高い場所には保管しないでください。
市販のブルーシートなど、紫外線による劣化で粉末状のゴミが発生するカバーはかけないでください。粉末状のゴミがキャブレター内部やエンジン内部に入り込み、エンジンがかからなくなる場合があります。
R21LSやTB27LSのタイヤは、数年に渡って油圧シリンダーを寝かせた「横ポジション」で同一箇所に置き続けると、空気が抜けきってしまう場合があります。適宜空気圧をご確認ください。
長期保管後の使用に関する注意点
場所・状況によりますが、保管期間が1年以上経過している際は、エンジンオイルの交換をお勧めいたします。
薪割り作業前に、必ず油圧シリンダーシャフトの往復運動を10回程度させて、エア抜きをしてください。エア噛みをした状態で高負荷をかけると故障の原因になる場合があります。
しっかりメンテナンスをして長く安全にご使用ください。